2026年8月27日、神戸ロータリークラブの例会にお招きいただき、弊社代表取締役の民輪一博が卓話「神戸で、AIと。~なぜ神戸から挑戦するのか、そして描きたい未来~」を務めました。
神戸で創業した会社として、地元の皆様の前でお話しする機会をいただけたことを、とてもうれしく思っています。機会をつくってくださった神戸ロータリークラブの皆様に、御礼申し上げます。

そんな一言から、卓話は始まりました。この日お話ししたのは、AIの技術論でも難しい横文字でもなく、神戸で会社を営む一人の経営者としての話です。次の2つの問いに沿って進めました。
学生時代、投資家から出資を受けてベンチャーを立ち上げたときの動機は、「自立したい。自分の力で、何かやってみたい」。ただそれだけだったと振り返ります。
学部時代に画像認識アプリを一人で開発し、大学院では中古ブランド品の価格推定サービスを手がける学生ベンチャーを起業。2016年の大学院修了とともにその会社をM&Aで売却し、その後はAI系ベンチャーのCTO(技術責任者)としてAIの実力と課題の両方を知りました。そして2017年12月、神戸でK.S.ロジャース株式会社を創業しています。
創業の動機は、技術ではなく働き方にありました。エンジニアが「IT土方」と呼ばれた時代の名残がまだ色濃かった当時、時間や場所に縛られずエンジニアが力を発揮できる組織をつくりたい──それが出発点でした。

初めて東京へ行った日の話が続きました。品川駅、そして山手線。人の多さと、電車の中の暗い表情を目にして、「仕事で行くのはいい。でも、住む街ではない」と直感したといいます。
もっとも、神戸を選ぶ理由は感情論だけではありません。卓話では「逆張りの合理性」として、こう整理しました。東京は市場が大きい一方で競合も無数にあり、埋もれてしまう。対して神戸・京阪神はIT市場こそ一桁小さいものの、競合が少ないから目立てる。ロールモデルが少ないから、自分がそれになれる。
たまたま生まれたのが神戸でしたが、いまは心から「神戸で良かった」と思っている──そう語りました。
一方で、AX(AIトランスフォーメーション)の現場で見えてきたのは、AI人材も資本も技術も東京に集中しているという状況です。日本経済を支えている地域の中小企業・金融機関・自治体・製造業ほど、AIの恩恵から取り残されている。データの話ではなく、現場を回るなかで感じてきたこととして、そう話しました。
実際に神戸・関西の経営者の方々から、こんな言葉を聞いてきたといいます。
「AIって、うちみたいな会社には関係ないでしょう」 「導入したいけど、誰に相談すればいいのか」 「東京のベンダーは、うちの商売を分かってくれない」